指圧

当院では傷んだ筋膜のこり部分に指圧を行なっています。傷んだ筋膜は傷んでいない筋膜よりも水分を多く含み肥厚しているため訓練すると指先で探り当てられるようになります。掌や指先などでこの部分が適切にストレッチされる絶妙な圧を組織に対して垂直に持続的に加えます。数分間圧を加えると筋膜組織に鍼をした場合と同様の変化が生じます。


指圧は鍼灸の基本手技です。解剖に忠実な指圧が身につけば的確に鍼ができるようになります。鍼灸師としては鍼がしたくなってしまうのですが、鍼を使わない鍼灸 (Acupuncture Without Needles) とも呼ばれる指圧は受けていてとても気持ちがいいものです。

指圧(60分)¥4,500

解剖学的な指圧で全身のこりや痛みを和らげます。

指圧小話  〜奇蹟の指を持つ男 フェリクス・ケルステン〜

日本に按腹という手法がありますが戦時中のドイツにも同様の治療をしていた指圧師がいました。フェリクス・ケルステンは1898年に現在のエストニア、タルトゥで生まれ、農学校に学び、フィンランド外国人部隊退役後にフィンランド国籍を取得。ヘルシンキの大学で2年間マッサージを学んだ後、ベルリンでチベット出身のコー医師からチベット式の手技療法を学び、3年後にコー医師がチベットに帰国した後はベルリンとデン・ハーグでの手療を引き継ぎ成功を収めました。

ケルステンは卓越した指圧師としての地位と名声を得ていましたが、当時ナチスのSS長官だったハインリッヒ・ヒムラーを頻繁に襲う胃痛を和らげる唯一の方法がケルステンの腹部への指圧のみであったため、「ヒムラーの指圧師」として戦時下を過ごすことになりました。

連合国軍による戦後の調査でケルステンが戦時中に行った多くの人道的な行為が明らかになり、ケルステンはオランダ王室からオレンジナッソー勲章を授与され、ストックホルムで晩年を過ごしました。

生前ケルステンが書いた「手技療法」という教科書がこれです。幸運なことに教科書全文のpdfファイルがネット上からダウンロードできました。主に指圧師が持つべき心得などが書かれています。