脊柱管狭窄症に対する鍼

こんばんは。朝霧高原治療院の田中です。

今日は一日河口湖でゆっくり過ごすことができたのでごろごろしながら以前から気になっていた論文をだらだらと読みながら過ごしました。


夕方、通院中の患者さんからMRI検査を受けたところ脊柱管狭窄症だった、だから鍼はやめて様子を見たい、と電話をもらったので脊椎外科での治療と鍼灸を併用することを勧めました。


脊柱管狭窄症は50歳以上の人にとてもよくある病気のひとつで、通常患者さんは足の痺れ、痛み、しばらく歩くと歩けなくなり、しばらく休むとまた歩けるようになる、といった症状に悩まされることになります。そしてそれらの症状の改善のために鍼灸を受けてみようと考える患者さんも多いです。


その理由にリハビリ(運動療法)によって満足な結果を得られる患者さんはかなり少数であること、慢性的な痛みの緩和のために漫然と痛み止めを飲み続けると消化管出血や腎機能低下などの深刻な副作用のリスクがついてまわること、手術後に症状が改善する人ばかりでなく、場合によっては悪化してしまう患者さんもいることがよく知られていること、が挙げられると思います。


*脊柱管狭窄症のガイドラインはこちら↓

https://ssl.jssr.gr.jp/assets/file/member/topics/cervical_spine_201014.pdf


仕方のないことですが鍼はなにか普通の医療ではないようなそんな印象を持っている患者さん、医療従事者もいまだ多くて、脊柱管狭窄症のマネジメントに鍼がどのくらい役立つのか分からないまま、従来療法に鍼を組み合わせるという選択肢が見過ごされてしまっているケースは多いです。


そんな中、2018年に腰部脊柱管狭窄症の保存療法に対する比較研究が東大で行われました。


119名の患者さんを3つの保存療法、薬物療法、運動療法、鍼灸を受けるグループに振り分け、効果について治療前と4週間後のチューリッヒ跛行質問票(ZCQ)のスコアで評価したものです。鍼灸が運動療法に比べて身体機能スコアを、薬物療法と比べて治療満足度を有意に改善させることが示されました。


これです↓

https://bmccomplementmedtherapies.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12906-018-2087-y

鍼をする経穴(ツボ)には、BL-23(腎兪)、BL-25(大腸兪)、BL-53(胞肓)、BL-54(秩辺)、BL-40(委中)、GB-34(陽陵泉)、BL-57(承山)が使われていました。


鍼で得られる効果や効果が出てくるまでの期間には患者さんによってバラツキがありますが、脊柱管狭窄症の患者さんには日常の症状を和らげるのに鍼をうまく使ってもらえたらいいなと考えています。

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