明けましておめでとうございます

あけましておめでとうございます。朝霧高原治療院の田中です。

今日は正月3日目。明日から研究開始です。今年も鍼とグリア細胞の研究に積極的に取り組んでいきたいと思います。

治療院での鍼は明後日5日から。こちらも週4日、しっかり続けていきたいと思います。大学に鍼研究に行くようになってから鍼治療の質がよくなってきているのを実感しています。

去年は4月から新人鍼灸師の秋山さんが水、木、金の週3日、アシスタントに来てくれることになり、また身体の不自由なひとり暮らしの女性宅への訪問治療も担当してくれることになりました。とても勉強熱心なので今年もどれほど成長するのか楽しみです。

さて。以前興味があって取っておいた乳がん患者さんのホットフラッシュに対する鍼の効果について調べた論文がありました。Internationala Journal of Radiation Oncology* Biology*Physicsという医学雑誌に10月に掲載されていたものです。


Effectiveness of Traditional Acupuncture in Reducing the Severity of Hot Flashes Reported by Breast Cancer Patients

D.Serra et al

乳がん患者はホットフラッシュなどの血管運動障害によりしばしば生活の質(QOL)が損なわれることからホットフラッシュに対する鍼灸について多くの論文があり、症状に対する効果とプラセボ効果について述べられている。

そこでホットフラッシュのひどい乳がん患者(10回/w以上)に伝統鍼とStreitberger針による偽鍼を週2回を5週、その後週1回を4週行い、1ヶ月フォローアップしてMenQOLスコアを比較するRCTを行った。

MenQOLスコア

0:何も悩まされていない

1-2:少し悩まされている

3-4:中程度に悩まされている

5-6:ひどく悩まされている

まずホットフラッシュ記録に基づいて週に10回以上ホットフラッシュがある乳がん患者54人を伝統鍼群28人、偽鍼群26人とに分けた。平均年齢は55歳だった。研究前に7人が離脱した。

伝統鍼を受けた人たちでは全員、研究前のMenQOLが中程度から重度だった。この度合いは治療終了時には77.3%に減少し、1ヶ月フォローアップ後にはさらに72.7%に減少した。中でもMenQOLスコアが5-6と最も高かった人たちに伝統鍼はよく効くことが観察され、この亜群ではホットフラッシュの症状は41%も減少した。

偽鍼を受けた人たちで研究前のMenQOLが中程度から重度だったのは全体の90%だった。この度合いは治療終了時に78.6%に減少したが、1ヶ月フォローアップ時には93.8%に戻ってしまった。

これらの結果はホットフラッシュの管理に鍼が効くことを示しているので、ホットフラッシュに対して薬剤を使うことに慎重な患者さんにはよい代替法である。


乳がん患者さんのホットフラッシュに鍼が効くかどうか?それほどたくさんのホットフラッシュの患者さんが治療院に来ていないのでなんとも言えませんが過去の経験ではホットフラッシュに鍼が効く印象はあります。

どのくらいの割合で効いてくれるのかなあ?こういった症状の患者さんがたくさん鍼を試しに来てくれたらいいな、と思いました。

本年も朝霧高原治療院 鍼灸をよろしくお願いいたします。

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