線維筋痛症に対する鍼の効果

富士市の筋膜鍼 朝霧高原治療院の田中です。
このところ患者さん用のパンフレットや医療機関用のパンフレットを作ったりしていて、新しい論文の抄録を読んで記事を書くことから遠のいていました。

線維筋痛症に対して鍼がよく効くことがあるのは過去の研究で明らかになってきていますが、「グループ鍼灸」なるものがあることを知ってちょっと読んでみました。

鍼灸師でPhDのオレゴン健康科学大学のミスト先生らの論文です。

10週20回以上の「グループ鍼灸」では総合的な症状、痛み、疲労がグループ教育を同程度の時間受けた群に比べて臨床的にも統計的にも有意に改善したそうです。

線維筋痛症の女性に対する鍼灸のランダム化比較試験: TCM診断に基づく選穴によるグループ鍼灸
Mist SD, et al. Pain Med. 2018.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/m/pubmed/29447382/

抄録
背景: グループ鍼灸はアメリカで行われ始めているコストパフォーマンスのよい鍼灸の方法で中国での実践モデルである。しかしグループ鍼灸が研究の場でテストされたことはない。
対象:線維筋痛症のある人に対するグループ鍼灸とグループ教育の治療効果についてテストすること。
デザイン: 2グループにランダムに振り分け反復測定を用いた研究
セッテイング: オレゴン州ポートランドのアカデミック健康センター内のグループクリニック
被験者: 1990年のアメリカリウマチ学会の診断基準で線維筋痛症と診断され中程度から重度の痛みのある女性
方法: TCMの診断に基づいてマニュアル化された鍼灸とグループ教育を10週以上にわたり20回、合計900分。Revised Fibromyalgia Impact Questionnaire(FIQR)とGlobal Fatigue Indexがベースライン時、5週時、10週時、治療を終了し4週後に評価された。
結果: 30名の女性が募集され、78%が10年以上続く症状を訴えていた。平均の参加時間は鍼灸で810分、教育で861分だった。総合FIQR、痛みFIQR、Global Fatigue Indexはすべて治療終了時と治療終了後4週時に鍼灸を受けたグループでは臨床的、統計的に有意な改善を示したが教育を受けたグループでは示さなかった。
結論: 教育と比べてグループ鍼灸では総合的な症状の強さ、痛み、疲労が改善した。さらにグループ鍼灸は安全で容認性に優れ、現行の薬剤オプションよりも多くの患者らを改善させられる治療オプションである。


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