「花粉症に12回の鍼が有効」というCNNの記事発見
鍼灸師の田中です。もう5月になるので花粉症の季節もそろそろ終わりですね。
スギやブタクサなんかのアレルギーがひどくてクシャミや鼻づまりなんかがどうにもならない、なんて方も結構いらっしゃると思いますが、時々鍼はどうなの?なんて聞かれたりします。
今年も「今年は鍼しているせいか花粉症が楽だった」という患者さんが複数いましたが、毎年そういう患者さんがちらほらいます。
経験からすると花粉症の症状に対して1回の鍼でよくなるということはなさそうで、花粉症に限らずやはり鍼の効果には継続がひとつの重要な要素になるのかなと思います。
以前から鍼がアレルギー性鼻炎に有効かも、なんていう論文はちらほらと目にしたのですが、たまたま「花粉症に鍼が有効」というCNNの記事を見つけました。はり師が10連休なんてもらっちゃうと暇すぎて結局こうなっちゃう訳です。ちょっと古い記事ですが。
以下大雑把ですが要約です。
米国内科学会の年報に花粉症に鍼が有効かもしれないという論文が紹介された。それによると研究者らは花粉症の患者442人を対象に鍼の研究を行った。
研究ではまずこれらの被験者を、ツボに対して12回の鍼をして必要に応じて抗ヒスタミン剤を飲むグループ、ツボでないところに12回の鍼をして同様に抗ヒスタミン剤を飲むグループ、抗ヒスタミン剤だけのグループ、の3グループに分けて2ヶ月後に症状や薬の使用状況について聞き取りをした。
その結果、他のグループと比較してツボに鍼をしたグループでは花粉症の症状が改善し、薬の使用も少なかった。しかしツボでないところに鍼をしたグループでもこれらの効果がいくぶん見られた。このことからプラセボ効果も鍼の効果に関与していると考えられる。鍼が効きそうだ、という期待感も鍼の効果に影響を与える可能性もあると研究者らは考えている。
薬と比較した場合の鍼の有効性について、鍼が効くメカニズムについてもっと研究を進めるべきである。鍼は安全な治療なので薬を飲んでも十分な効果が得られない患者さんは鍼を試してみてもよいのではないか。
元論文はこちら↓
https://annals.org/aim/article-abstract/1583578/acupuncture-patients-seasonal-allergic-rhinitis-randomized-trial
0コメント