脳卒中のリハビリに鍼が使われる神経学的根拠
鍼灸師の田中です。今日はようやく連休中に欠けた歯の治療に行くことができました。相変わらず虫歯もなく元気な歯ですが、夜間の歯ぎしりで力がかかる場所があって少しずつエナメル質が削れてしまい、一定のところまで削れると一気に欠けてしまうということがあるそうです。しっかり充填剤で埋めてもらいよく治療してもらえました。
さて。
今日はそれ以外特別することがなかったので先日読んだ論文内に紹介されていた脳卒中リハビリテーションに対する鍼の効果のベースとなる神経学的なメカニズムに関する論文を読み進めることができました。興味ある内容なのでもうちょっと時間をかけて全文読んでしまいたいと思っています。
これです↓(要旨のみ)
脳梗塞リハビリテーションにおける鍼:基礎研究の文献レビュー
Lina M. Chavezら
鍼は脳卒中治療と脳卒中ケアの改善のための補完代替戦略としてWHOにより推奨されている。臨床研究やメタアナリシスの所見は鍼バランス機能の改善、痙性の減少、筋力の増加、脳卒中後のウェルビーイング全般に対する効果を証明している。脳卒中リハビリテーションにおける鍼の効果のベースとなるメカニズムは不明のままである。
この研究の目的は文献レビューを行い、現在分かっている虚血性脳卒中リハビリテーションでの鍼や電気鍼のメカニズムをまとめ、これらの効果に関係してよく使用される経穴の詳細についてまとめることである。
このレビューでのエビデンスは(1) 中枢神経系での神経発生と細胞増殖の促進; (2) 虚血領域での脳血流の調節; (3) 虚血領域での抗アポトーシス; (4) 神経化学物質の調節; (5) 障害された長期増強(LTP)や脳卒中後の記憶の改善など虚血性脳卒中リハビリテーションにおける鍼/電気鍼の効果に関係する5つの主要な異なるメカニズムを示している。
基礎研究で最もよく用いられる経穴は百会(GV20)、足三里(ST36)、曲池(LI11)、水溝(GV26)、大椎(GV14)、合谷(LI14)である。
我々の所見は鍼が中枢神経系に由来する異なるさまざまなメカニズムの調節を介して虚血性脳卒中に対して有用な効果を発揮することを示している。
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