鍼は筋萎縮を改善させる?
朝霧高原治療院の田中です。
今日は鍼研究の日でした。昨今サルコペニア、フレイル、ロコモーティブシンドロームと晩年筋肉が落ちて寝たきりなどの問題が生じてくることが盛んに話題になっていますが、「鍼をすると筋萎縮がしづらくなるかも」という研究論文です。
こんなのを見つけると60代の女性全員に鍼を薦めたくなりますが、はてさていかがなものでしょうか?
以下抄録です。
鍼はマウスの後肢懸垂で生じた骨格筋委縮を改善させる
Onda Aら、Biochem Biophys Res Commun. 2011.
骨格筋の萎縮を予防することは生活の質を保つのに重要だが、高齢者やひどい症状の患者にはしばしば困難である。我々はトレーニングの代わりの鍼が筋萎縮を予防することのできる非薬物的介入となるとの仮説を立てた。後肢懸垂で生じさせた骨格筋萎縮に対する鍼の効果を明らかにするため、我々は電気鍼とマニュアル鍼をマウスに行った。どちらの鍼も2週間の間毎日30分、腓腹筋に1本置鍼した。電気鍼の群は30分の反復電気刺激を加えた(1 Hz, 1 ms pulse width, 6.5 mA intensity) 。後肢懸垂はヒラメ筋の筋量と断層領域を有意に減少させた。コントロール群と比較した時、改善のレベルは不十分だったが、この後肢懸垂で生じさせた減少は電気鍼で有意に改善した。 我々はE3ユビキチンリガーゼとして筋特異的な分解に原理的な役割を担うアトロギン-1とMuRF1 のmRNAの発現レベルがコントロール群と比較して後肢懸垂 群では有意に増加していることを見出した。電気鍼もマニュアル鍼も後肢懸垂で生じたアトロギン-1とMuRF1 のmRNAのアップレギュレーションを減少させた。 我々はまたPI3キナーゼ、Akt1、TRPV4、アデノシンA1 受容体、ミオスタチン、 SIRT1 のmRNA の発現レベルが後肢懸垂で増加する傾向があることを見出した。電気鍼とマニュアル鍼は後肢懸垂で生じさせたAkt1 とTRPV4 のmRNA のアップレギュレーションをさらに増加させた。我々は鍼が部分的に骨格筋の萎縮を予防したと結論づけた。この効果はおそらくタンパク合成の増加とタンパク分解の減少によるものである。
0コメント