鍼の論文続き

おはようございます。河口湖の朝は小鳥がさえずってます。

今朝早速Google Scholarアラートが「新しい鍼の論文ありますよ〜」と知らせてくれていました。昨日のもあと4つ読めていないのに。

このところ鍼の論文の数は本当に増えたと実感しています。

さて。どちらから始めたものか・・・

やっぱり読めていない4つから始めるべきでしょう。

これ↓

jkomor020-01-06.pdf

発表しているのは韓国の通称「東大(トンデ)」東国大学校のグループ。ソウルのど真ん中にあるようです。本文はハングルなので読めませんが、抄録だけ英語、本文は日本語で書かれた日本の論文もこんな風な印象を与えるんだろうな・・・。

抄録はこんな感じ↓

この研究の目的は肥満患者に対する耳鍼の体重減少効果について調べることである。2020年5月20日時点で6つのデータベース(Research Information Sharing Service [RISS], Korean studies Information Service System [KISS], Oriental Medicine Advanced Searching Integrated System [OASIS], PubMed, The Cochrane Library, China National Knowledge Infrastructure [CNKI])を検索した。8つの無作為か比較研究が適応となった。コクランバイアスリスクツールで研究の質を評価し、レビューマネージャーソフトウェアでメタアナリシスを行った。変量効果モデルを使用してメタアナリシスを行い、不均一性の原因を検出し、鍼療法の選択を特定し、減量効果への寄与を調査するためサブグループ分析を行った。8研究のうち5研究は耳鍼の研究で、2研究は耳指圧の研究、1研究は両方の研究だった。最も多く選択された経穴は神門(TF4)と胃点(CO4)だった。治療期間は6〜12週で全治療回数は6〜12回だった。コントロール群と比較して耳鍼は有意に体重、BMI、HDLコレステロール、グレリンを低下させた。鍼の手法の選択のために両方の方法がウェスト周囲径(WC)、体脂肪比率(BFP)、中性脂肪(TG)をのぞいてほとんどの結果において同様に行われた。我々は耳鍼が減量と食欲のコントロールに対して有効であることを見出した。しかし不均一性のためこの所見は注意深く解釈する必要がある。そのため肥満に対する耳鍼利用のエビデンスを強化するためにさらにしっかりとしてよくデザインされた研究が行われるべきである。


とこんな感じ。体重が減って悪玉のLDLコレステロールが減るなら分かるけど、どうして善玉のHDLコレステロールが減ってしまうのか?そしてそのおかしな点について何も言及がないのは不思議。もしかしたらハングルの本文には書いてあるのかも。


次はブラジルから多発性硬化症の痛みに対する鍼と電磁気療法の研究。意外かもしれませんがブラジルは鍼の研究が盛んです。

Acupuncture and Electromagnetotherapy for Chronic Pain Relief in Multiple Sclerosis.

多発性硬化症の患者の慢性疼痛は一般によくあり、42〜90%が経験している。痛みに関連した多発性硬化症の薬物治療は不十分であるのが普通でありしばしば重篤な副作用を生じさせるため、疼痛緩和のための代わりとなる治療法の必要性は緊急を要している。多発性硬化症での疼痛緩和に対する電磁気治療を伴う鍼の有効性と鎮痛効果を評価するために多発性硬化症の患者12名(女性10名、男性2名、年齢40〜74歳)がこの前向き研究に参加した。総合障害度スケールの平均は4.8で42%の患者は再発寛解型多発性硬化症、33%は二次性進行型多発性硬化症、25%は一次性進行型多発性硬化症だった。痛みを報告したすべての患者(背中10名、足2名)は薬物療法を利用し、15回の鍼と電磁気療法(Kenkobio)を受け、構築された痛み質問表に答えた。主要評価項目は痛みの強さの低下あるいは除去で副次的評価項目は症状およびQOLの改善だった。この予備研究は多発性硬化症に関連した痛みは健康、活動性、社会への参加に有意なインパクトを持ち、QOLを劇的に低下させることを明らかにした。これらの結果はこれらの非薬物的な介入が慢性の痛みに有効かつ無害であり、安全性と長期効果の評価のためにしっかりとした方法論を伴う研究が必要であり、多発性硬化症に対する慢性の痛みに対するこれらの介入の利用の正当性を示唆している。


次は橋本病の女性に鍼を続けたらよくなったというマケドニアからの症例報告。先日読んだのでパス。

https://www.granthaalayahpublication.org/journals-html-galley/11_IJRG20_B06_3464.html


次は「非鍼灸師による鍼を使った痛みの治療」。鍼灸師からすると「何?」と思わせるタイトルだけれども内容は以下の通り。

https://digitalshowcase.lynchburg.edu/dmscjournal/vol2/iss3/97/

戦場鍼灸(BFA)は戦場および市街での臨床の場で用いられる非鍼灸師によって行われれる耳鍼を使った痛みの治療プロトコルである。戦場鍼灸は効果があり、即座に行うことができ、術後の観察も最小限で済むと言われている。リスクがとても低く、副作用もごくわずかなので戦場鍼灸は医学的な症状に関連した痛みの管理に対する補完代替療法として利用されるに違いない。痛みの治療に対する耳鍼の有効性には低〜中程度のエビデンスがある。戦場および市街地において鍼と標準治療とを比較するためより大規模な無作為化比較研究が必要である。

なんだか無理やり無資格施術を認めさせようとする意図が見え隠れして複雑な気分にさせられる。著者はアメリカの大学の先生。アメリカにも鍼灸の免許あります。ちゃんと免許取りましょう。


ようやく最後。「歯科手術における鍼灸の有効性」という論文。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32205274/

ですがタイムオーバー。鍼に出かける時間です。


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続きです。
The objective of this crossover clinical study was to evaluate the effectiveness of Energy Regulation with Acupuncture in clinical occurrences in impacted lower third molar surgeries.
→わからなかったのでグーグル翻訳にかけてみました。

このクロスオーバー臨床研究の目的は、影響を受けた下顎第三大臼歯手術での臨床的出来事における鍼によるエネルギー規制の有効性を評価することでした。


Methods: The sample consisted of 22 patients with two impacted third molars, in symmetrical position; divided into two groups: Test Group (TG) with Real Energy Regulation Group and Sham Group (SG) with Acupuncture without Energy Regulation function. The extraction was performed 30 days apart. Energy flow (Ryodoraku Method) and energy regulation performed before extraction were measured. Heart Rate (HR) and Blood Pressure (BP) were evaluated before and after energy regulation and after surgery, residual edema was measured by facial measurements (angle of the mandible to tragus (A-T); angle of the mandible to labial commissure (A-LC); angle of the mandible to the wing of the nose (A-WN); angle of the mandible to the corner of the eye (A-CE); angle of the mandible to the chin (A-C); and mouth opening by the interincisal distance, before and after seven days of surgery. To quantify intraoperative bleeding (ml), blood was aspirated along with the saline solution using a portable vacuum pump adaptor. The amount of saline solution used was subtracted from the final amount of aspirated fluid.

Results: Mean of bleeding was lower in TG (p = 0.0392). There were significant differences between groups in facial distances: A-LC (p = 0.010), A-WN (p = 0.030) and A-C (p = 0.008).

Conclusion: Energy regulation with real acupuncture was effective in reducing postoperative residual edema and intraoperative bleeding.

質の高い鍼灸をすべての人に 朝霧高原治療院 鍼灸|富士市 石坂

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