7/21 最新鍼灸論文

朝霧高原治療院の田中です。

今日はGoogle Scholarアラートが新たに出た文献を知らせてくれたので抄録だけ読みました。もうすでに読んだものも含まれていたのでそれらは飛ばして↓の分だけ読みました。

Acupuncture may anticipate the antalgic effects of focused shockwave therapy to rotator cuff tendinopathy: A retrospective clinical study.

Enrico Brunoら, 2020.

https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S1003525720300805

目的:この研究の目的は集中的な体外衝撃波療法(f-ESWT)および鍼の臨床効果が回旋腱板腱障害の患者の臨床反応を短期的に予測できるかどうかを評価すること。

デザイン:観察的後ろ向き臨床研究。

設定/場所:イタリアのローマにあるサンタンドレア大学病院の物理医学およびリハビリテーションユニット。

被験者/介入:回旋腱板腱障害を有する30人の患者(女性22人、男性8人)を過去に遡って分析した。

15人の患者がf-ESWTと鍼治療の併用療法を受け(グループA)、15人の患者がf-ESWT療法のみを受けた(グループB)。

結果測定:結果は視覚的アナログスケール(VAS)、Assessment Shoulder and Elbow Scale(ASES)、Roles and Maudsley Score(RMS)で測定した。フォローアップは、T0(治療前)、T1(治療開始から3週後)、およびT2(8週後)だった。グループを比較するため分散分析とフリードマン検定を採用した。

グループAの患者は、VAS(P <0.001)、ASESスケール(P <0.001)でより急速かつ統計的有意な改善傾向があり、RMSによって評価された短期の治療満足度もグループBより高かった(P <0.001)。

結論:研究は、併用治療は短期的に痛みと運動機能の点で関与する肩の回復時間を短縮することを示した。しかしこれらの結果は無作為化比較対照研究で確認されるべきである。

Bee Venom Acupuncture for Shoulder Pain: A Systematic Review and Meta-analysis of Randomized Controlled Trials.

Lei Shenら, 2020.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7338706/

目的:私たちのレビューは、肩の痛みの治療におけるミツバチ針療法(BVA)の有効性に関する証拠を要約して評価することを目的としている。

方法:肩の痛みに対するBVAの有効性を評価する無作為化比較対照試験(RCT)を2019年10月までに11の電子データベース(Medline、Embase、CENTRAL、CiNii、CNKI、VIP、Wanfang、Kmbase、NDSL、RISS、OASIS)で検索した。含めたRCTの方法論の質はコクランバイアスリスクツールを用いて評価し、メタ解析を行った。

結果:レビューには7つの研究が含まれ、メタ解析には4つの研究が含まれた。BVA+従来療法(CT)と生理食塩水注入+CTを比較すると、視覚的アナログスケール(VAS)と痛み評価スケール(PRS)でBVA+CTを支持する効果が示された(p= 0.02、p= 0.009)。BVA+理学療法(PT)と生理食塩水注射+PTを比較すると、2つのグループ間でVASと口頭による評価尺度(VRS)に有意差がないことが示された。

結論:この系統的レビューとメタ解析は、BVAが肩の痛みの補助療法として有益である可能性を示唆している。

Therapeutic effects of acupuncture on sensory ataxia after a cerebral hemorrhage: A case report.

Kuan-Yu Luら, 2020.

https://journals.lww.com/md-journal/Fulltext/2020/07170/Therapeutic_effects_of_acupuncture_on_sensory.59.aspx?context=LatestArticles

序文:感覚運動失調は、運動の制御への感覚入力の障害による動的バランスの機能不全である。片麻痺、体性感覚障害、バランス障害などの脳卒中の後遺症は重大な障害を引き起こし、患者のQOL(生活の質)に影響を及ぼす可能性がある。リハビリテーションプログラムに加えて、鍼は脳卒中患者に応用されており、脳卒中リハビリテーションの補完療法として推奨されている。 

患者:70歳の男性が突然意識喪失を発症した。脳CTは硬膜下出血とくも膜下出血を伴う脳内出血を示した。

診断:脳内出血性脳卒中と診断された。

介入:患者は直ちに開頭手術を受け、血腫を排出し、3週後に目覚めた時には両側片麻痺(左より右側が弱い)、右下肢の位置覚障害および触覚知覚障害があった。その後リハビリ療法を受け、筋力と静的バランスは有意に改善したが、右下肢の位置覚と触覚知覚は改善されないままプラトーに達した。それから湧泉(KI1)、通天(BL7)と後谿(SI3)への鍼を受けた。

成果:3年間のリハビリプログラムを受けて患者の歩行能力は回復しが、固有受容と動的バランスの障害は持続した。鍼、特に湧泉(KI1)への鍼を受けた後、知覚と動的バランスは有意に改善された。

結論:日常生活動作 (ADL)の改善および脳卒中後の不均衡の改善について神経障害回復のための従来のリハビリ療法と鍼との組み合わせによる臨床効果は検討した。この報告がサンプルサイズの大きいコントロールされた定量的客観的研究を促進することを願う。

Treatment of acute urticaria with acupuncture.

Shuai Zhouら, 2020.

https://journals.lww.com/md-journal/Fulltext/2020/07170/Treatment_of_acute_urticaria_with_acupuncture.50.aspx

根拠: じんま疹は、持続期間が長く再発率が高い難治性皮膚疾患である。さらに言えば、急性じんましんの投薬は常に高用量を必要とし、それが何らかの有害事象を引き起こす可能性がある。2000年以上の歴史を持つ鍼は皮膚疾患の代替治療戦略として臨床現場で利用されている。

患者: 26歳の勤務中の男性看護師が病棟での夜勤中に突然体調を崩した。みみず腫れが全身に広がり始めたがじんましん治療薬は手元になかった。耐え難いかゆみは彼の業務再開をひどく困難にした。

診断: 症状により急性じん麻疹と診断された。

介入: 30分間の鍼を行った。

成果: 鍼を経穴に挿してから約5分後に患者はかゆみの感覚を大幅に緩和した。さらにかゆみをコントロールして掻くのをやめることができるようになり、みみず腫れがしだいに消えていくのを静かに待つことができた。その30分後にはみみず腫れはほとんどなくなった。

レッスン: この結果は特に薬物治療を受けられない患者にとって、鍼が急性じんま疹を治療するための有望な代替療法となり得ることを示唆している。

⭐︎Massage Compared with Massage Plus Acupuncture for Breast Cancer Patients Undergoing Reconstructive Surgery.

Christina A. Dilaveriら, 2020.

https://www.liebertpub.com/doi/abs/10.1089/acm.2019.0479

目的:統合医療はここ数十年でアメリカで医療や健康増進にますます組み込まれている。それらの潜在的な有益性はがん患者とがん生存者の痛みや症状の緩和を含むさまざまな状況で評価されてきている。このパイロット研究では2つの統合補完アプローチの組み合わせが1つの統合補完アプローチのみと比較して術後ストレス、痛み、不安、筋肉の緊張、疲労が軽減し患者の利益が増すかどうかを評価した。

デザイン:自家組織による乳房再建を受けた患者は3日連続して行う2つの術後補完代替療法のどちらかに無作為に割り当てられた。すべての参加者は最大3か月間観察された。

対象: 2016年1月29日〜2018年7月11日まで、42人が参加した。

介入: 参加者らはマッサージのみを受けるグループに21人、マッサージと鍼の組み合わせを受けるグループに21人が無作為に割り当てられた。

結果の測定:ストレス、不安、リラクゼーション、吐き気、疲労、痛み、気分(スコア0〜10)を登録時、手術前および術後1、2、3日目の介入前後に測定し、患者の満足度を評価した。

結果:マッサージのみのグループとマッサージ+鍼グループの両方で、各治療介入後にストレスがベースラインから減少した。ベースラインからのストレススコアの変化は、治療前および治療後のマッサージのみのグループで有意に減少した( p= 0.03および p= 0.04)。ベースライン値の調整後、疲労、不安、リラクゼーション、吐き気、痛み、気分スコアの変化はグループ間で差がなかった。患者に試験を推奨するかどうかを尋ねたところ、マッサージのみのグループの100%(19/19)、マッサージ+鍼治療グループの94%(17/18)が「Yes」と回答した( p= 0.49)。

結論:痛み、不安、リラクゼーション、吐き気、疲労、気分に対するマッサージに鍼を追加しても、相加的な有益な効果は観察されなかった。どちらのグループでも大幅なストレスの軽減が見られたが、マッサージと鍼の併用ではマッサージのみの場合ほどストレスの軽減には効果がなかった。これらの所見はこれらの療法をさらに研究するための大規模な研究が必要であることを示唆している。

⭐︎Characterizing the analgesic effects of real and imagined acupuncture using functional and structure MRI

Jin Caoら, 2020.

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1053811920306625

ハイライト

•鍼は感覚運動領域での脳の結合性を減少させて鎮痛効果を生じさせた。

•画像鍼は大脳基底核の結合性を高めて鎮痛効果を生じさせた。

•機能的および構造的な脳メトリックは参加者の鎮痛効果を連帯して予測する。

疼痛管理のための鍼と画像介入には長い歴史がある。本研究では鍼とビデオ誘導鍼(VGAIT、参加者自身の体に施されている鍼のビデオを見てそれが行われていることを想像する)が脳領域接続性を調節して鎮痛効果を生じさせるかを比較調査した。研究はまた介入前の脳の機能的および構造的特徴が鎮痛効果の大きさを予測するために利用できるかどうかを検討した。24人の健康な参加者が集められ、クロスオーバーデザインを用いてランダムな順序で4つの異なる介入(本物の鍼、偽鍼、VGAIT、およびVGAITコントロール)を受けた。各介入の前後に痛みの閾値とMRIデータを収集した。まず本物の鍼とVGAITが領域内および領域間の内因性の脳結合性に及ぼす調節効果を比較し、本物の鍼が感覚運動野の局所的均一性(ReHo)と機能的結合性(FC)を減少させたのに対し、VGAITは大脳基底核(BG)(すなわち被殻)のReHoとBG皮質下ネットワークとデフォルトモードネットワーク(DMN)間のFCをを増加させた。変化したReHoとFCはそれぞれ本物の鍼とVGAIT後の疼痛閾値の変化と関連していた。本物の鍼とVGAITによる痛み閾値の変化の個々の変動性の根底にある脳の特性を探索するために特性として介入前のReHoと灰白質体積(GMV)を用いたマルチモダリティ融合アプローチを使用した。鍼への反応のばらつきはBGでのReHoとGMVに関連していたのに対し、GAITへの反応は島前部でのReHoおよびGMVに関連していた。これらの結果は本当の鍼とVGAITは異なる経路を介して脳システムを調節しどちらも鎮痛効果を生じさせることを示唆している。

分からないところを調べるといろんなサイトが引っかかってきますが、今日引っかかってきたのはこちらです↓

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjppp/advpub/0/advpub_1304si/_pdf/-char/ja

こういった先生方の解説を読んでいればまだうっすらとしか分からないことが少しずつでも分かってくるかもしれないと期待してます。

ローマ サンタンドレア通り

しつこい慢性のこり、痛みに 朝霧高原治療院 鍼灸

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