痛みとアレルギー性鼻炎に対する鍼灸:臨床経験からエビデンスへ

朝霧高原治療院の田中です。昨日は夜中まで鍼灸の研究でした。鍼を繰り返すと症状の改善に合わせて脳でどういったメカニズムでどういった変化が生じるのかを研究しています。楽しいです。すごく。

例えば鍼を繰り返すと脳の扁桃体という部分の活性が抑制されることが報告されていますが、これは負の感情を抑えることを意味しています。

鍼灸にはまだまだ分からないことが沢山ありますが分かってきたことを応用して鍼灸で社会の役に立ちたいです。鍼灸の臨床に加えて基礎研究もできていることをとてもとてもありがたく思います。

さて。

ドイツでは20年前から鍼灸の臨床研究が国を挙げて行われてきましたが、その中心的な役割を果たしてきたシャリテー病院からの報告です。

これ↓

痛みとアレルギー性鼻炎に対する鍼灸:臨床経験からエビデンスへ
Benno Brinkhausら

鍼灸はチャイナの伝統的な医療であるが西側諸国でもよく利用されている。過去20年間に科学的な研究が強力に進められてきた。慢性痛疾患とアレルギー性鼻炎に対する鍼灸の効果、安全性、医療経済学的適切性について明らかにすることがこの研究の目的である。体験談を元にした文献を選んでプレゼンし解釈を行なった。その結果、鍼灸は変形性関節症による慢性膝関節痛、片頭痛、緊張性頭痛、慢性腰痛、慢性頸部痛、肩の痛み、月経困難症、線維筋痛症といった日常的な疼痛関連疾患に有効であった。さらに慢性疼痛適応症において特異的な効果がまれに気胸やB型肝炎といった重篤な合併症が示された。鍼灸はアレルギー性鼻炎の患者にも有効である。大規模臨床研究で鍼灸は比較的安全な治療法であることが証明されたが、気胸やB型肝炎といった重篤な有害事象が稀に生じている。鍼灸の治療費は通常高額であるが痛み関連疾患に対する費用対効果の高い治療戦略であると考えられる。非薬物療法として鍼灸は痛みやアレルギーの治療に益々重要となってきており、そのため現行のガイドラインに含まれるようになってきている。将来的にはその他の適応症への鍼灸の効果が決定され、この治療法の作用メカニズムが研究されるべきである。

原文はこちら↓

こうした効果に神経免疫が関連している可能性は大いにあります。これから鍼灸が効く疾患やそのメカニズムについてもっと沢山のことが分かってくるであろうことをとても期待しています。

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