慢性の膝痛
「変形性膝関節症」は関節軟骨が少しずつ消失する進行性退行性の疾患で、慢性の膝痛の原因としては第1位です。全国では1200万人にも上るそうです。
根本的な治療法がないので、痛みの治療のために非ステロイド系の消炎鎮痛薬がよく使われています。運動療法や減量、その他の治療も色々と試されていますが十分な鎮痛が得られる人ばかりではないようで、人工関節置換術なども行われています。
これに鍼灸が効くかどうかを総合的に評価したカナダのマニトバ大学のグループによる研究論文がありました。
このシステマチックレビューでは有効性が示されている膝周囲のツボに「ひびき」と呼ばれる鍼特有の感覚を生じさせると、痛みの強さ、膝の動き、生活の質(QOL)が改善すると報告されています。重篤な副作用の報告はありません。
慢性の膝痛があり、服薬と理学療法だけでは十分な効果が得られていない場合には鍼灸を加えてみることをお勧めします。
※1:また低周波をツボに通電すると鍼の「ひびき」の効果を高めることがわかっています。
※2:サブグループ解析では骨関節炎による慢性の膝痛には4週以上続けた場合に最も有効であったとされています。
参考文献:
Pain management with acupuncture in osteoarthritis: a systematic review and meta-analysis
Taru Manyanga, Maria Froese
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4158087/
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