高血圧の鍼
手首計でなく上腕計で測ってみて130/80未満ならOKです。それより高ければ高いほど脳卒中や心筋梗塞、壊疽などの心血管イベントリスクが高くなってしまいます。
アンジオテンシンⅡ受容体阻害薬やカルシウム拮抗薬などが広く普及したので、お薬で血圧はずいぶんコントロール出来るようになってきたのではないでしょうか。
また生活習慣を健康的にすると段々と改善してくる方も多いと思います。
でもそれでも高い!という方、または単純に「鍼ってその辺のところどうなの?」と興味がある方。
高血圧と鍼に関してはUCLAのジョン・ロンハースト先生が基礎研究をしています。先生は「血圧に関して言えば効果に経穴特異性がある」という意見で、レニン活性が高い高血圧の患者さんには効くツボと効かないツボがあることを提唱しています。
関西医療大学の木村先生も研究しているはずです。
高血圧と鍼に関するランダム化比較試験は中国でいくつか行われています。英語に訳されているのは少ないのですがシステマチックレビューにまとめられています。
それらによれば、高血圧に対して鍼による持続的な効果を示す証拠は限られているとのこと。
・2013年の時点でのシステマチックレビューは「効果はありそうだが、研究手法の不備のために結果との信頼性は不十分」としている。
・軽症の高血圧に対して鍼灸の効果を調べたこれまでの最大規模のランダム化比較試験(192名が参加)では臨床的かつ統計学的な鍼灸の効果は認められなかった。
・次に大規模なランダム化比較試験(160名が参加)では薬剤+鍼灸の有効性が認められたが、その効果は3ヶ月持たなかった。
健康的な生活を習慣づけたり内科の先生から薬をもらったりした方がよさそうです。
参考文献:
Wang J, Xiong X, and Liu W. Acupuncture for essential hypertension. Int J Cardiol. 2013;169(5):317-26.
Flachskampf FA, Gallasch J, Gefeller O, et al. Randomized trial of acupuncture to lower blood pressure. Circulation. 2007;115(24):3121-29.
Macklin EA, Wayne PM, Kalish LA, et al. Stop Hypertension with the Acupuncture Research Program (SHARP): results of a randomized, controlled clinical trial. Hypertension. 2006;48(5):838-45.
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