手根管症候群と鍼灸


朝霧高原治療院の田中です。

手根管症候群は手首の手根骨と屈筋支帯で囲まれるスペースを通る腱などの組織に圧迫されて手のひらが痺れたりする絞扼性の神経障害です。

一般的にはステロイドの注射で炎症を抑える治療が行われます。それでも改善されず、症状がキツい場合には圧迫を取り除くための手術が提案されます。

手術しない場合の保存療法の選択肢のひとつとして鍼は世界的によく使われていて、それなりの確率で改善することがあるので、ハーバード大学のNapadow 先生の研究室にいる滋賀県出身の前田由美先生が「手根管症候群と鍼灸」をテーマに機能的MRIを使った研究を続けています。しばらくぶりにチェックしてみたらおそらく最新のものと思われる去年の論文がありました。

ひと通り読んでみて鍼が苦手じゃない人には症状のない側の同じ部位にも追加で鍼してみようかと思いました。やったことがない人には信じられないかもしれませんが、うちに鍼に通っている方のうち2割くらいの方は鍼の最中に眠ってしまっています。

「すべての群で症状に改善が見られた」と書かれています。これまでにも症状が改善された方、治った方はいますが、すべての方がよい結果だった訳ではありません。

手のしびれがある方で鍼を試してみたい方
ご連絡をお待ちしています。

富士市石坂380-1 ゴルヴァティーク1F
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手根管症候群における鍼灸による第1次体性感覚野のつなぎ換え
Maeda Y, et al. Brain. 2017.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/m/pubmed/28334999/?i=3&from=/24740988/related
抄録(拙訳)
手根管症候群は最もよくある絞扼性の神経障害で、手首で正中神経を絞扼する。鍼灸は侵襲がとても少ない保存療法オプションであり、複雑な治療儀式にルーツを持つものの、末梢に着目した多くの神経調整療法と共通項を持つ。しかし主観/心理学的かつ客観/生理学的な結果にインパクトを与える鍼灸の神経生理学的メカニズムはよく分かっていない。適した患者らが登録され、局所へのverum 電気鍼群、反対側遠位(足首付近)へのverum 電気鍼群、皮膚を貫通しないプラセボ鍼によるsham 電気鍼群の3群に分けられた(80名のうち女性が65名。平均年齢は49.3才±8.6才)。鍼治療は8週にわたり16回行われた。治療開始前、終了後、3ヶ月フォローアップ時にボストン手根管症候群質問票で痛みと麻痺の症状を評価した。正中神経の感覚枝の反応速度と脳の画像データが治療前後で得られた。機能的 MRIの画像は3つの指(示指、中指、小指)への振動触覚を用いて第1次体性感覚野での体性局在を評価した。3群すべての鍼灸が症状のひどさを改善させたが、(局所と遠位の)verum 鍼は局所から手首までの正中(感覚)神経伝達速度と、示指と中指との皮質分離距離?など脳での神経生理学的結果においてsham鍼より上であった。さらにverum 鍼の後の示指と中指との皮質分離距離の大きな改善は3ヶ月後の症状の度合の改善の持続を予知した。我々はさらに第1次体性感覚野に隣接した白質の微小構造の拡散テンソル画像を用いて、局所と遠位での鍼のメカニズムの違いについて研究した。健常者(34名、うち28名が女性、平均年齢は49.7才±9.9才)と比較して手根管症候群の患者らはいくつかの部位でのFAが増加していることを示しており、それらの部位において我々は正中神経の応答速度の改善が⑴shamではなくverum 鍼後の反対側の手の領域付近⑵遠位あるいはsham 鍼後ではなく局所への鍼後の同側の手の領域付近⑶局所あるいはsham 鍼ではなく遠位への鍼後の下肢の領域付近でのFAの減少に関係があることを見出した。これらの第1次体性感覚野の小区域が局所対遠位の電気鍼刺激により明らかに標的とされるので、局所対遠位での鍼が治療後に第1次体性感覚野での体性感覚性に明らかな神経可塑性により手首での正中神経機能を改善させうる。我々の研究はさらに第1次体性感覚野の体性局在での改善が手根管症候群の長期的な臨床結果を予知できることを示唆している。
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https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsbp/20/3/20_3_193/_pdf

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