抗生物質を飲んでも治らない膀胱炎と鍼灸
富士市の筋膜鍼 朝霧高原治療院の田中です。
先日のバーンストツク先生の記事を読んでATPとプリン作動性シグナル伝達に興味を持ちました。
鍼が膀胱炎に効くのは長年鍼灸師をやっていれば幾度か経験するかも知れないけれども、鍼がまさか膀胱炎に効くなんてことは一般的に信じられていないので、わざわざお金を払って鍼灸院に鍼しにくるような人はほとんどいません。
実際「膀胱炎だから鍼して」という人は肩こりや、腕の痛みで鍼に来ている人がたまたま「婦人科で処方された抗生物質をしばらく服薬しても良くならない」というので鍼を試したところ著効し、それ以来、再発するたびに「鍼をお願い」と頼まれるくらいのもので鍼灸師の自分としても膀胱炎が治りきらない女性100名を集めて鍼した時に何人の膀胱炎が良くなるのかはやってみないと分かりません。ただ彼女の場合はいつもよくなっているようです。
犬と同じにするなと叱られそうですが今は無くなってしまいましたが、家内の実家で飼っていた甲斐犬のハナちゃんが膀胱炎になった時もまったく同じような状況で、同じ所に鍼をして、低周波はかけませんでしたが著効しました。
どちらも「中膠」という仙骨上のツボに鍼をしてよい結果を得ている訳ですが、エコーで見ながら膀胱の表面(中極というツボ)に鍼したらどういうことが起こるのか、もうちょっと本文を読み込んで想像を膨らませてみたいです。
抗生物質を飲み終わっても膀胱炎の症状が一向に改善せず、このブログをみて「鍼試してみたいかも?」と思った方、ご連絡をお待ちしています。
朝霧高原治療院
富士市石坂380-1 ゴルヴァティーク1F
【予約制】090-8502-0256
健常時と病態での尿路におけるプリン作動性シグナル伝達
Geoffrey Burnstock
抄録(拙訳)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3944045/
プリン作動性シグナル伝達は下位尿路の多くの生理的かつ病理的な活動に関わっている。受験動物の膀胱ではP2X1受容体とムスカリン受容体を介して作用するほぼ同等のプリン作動性要素とコリン作動性要素の副交感神経の興奮性同時伝達がある。膀胱や子宮が膨満すると尿路上皮細胞からプリン作動性の機械的シグナル伝達が起こり、尿路上皮細胞下の感覚神経にあるP2X3、P2X2/3受容体で作用し、低域値線維を介して排尿反射を、高閾値線維を介して侵害受容を惹起するよう働く。ヒトの膀胱では副交感神経性の同時伝達のプリン作動性要素は3%以下だが、間質性膀胱炎や閉塞性膀胱、神経因性膀胱などの病態ではプリン作動性要素は40%にまで増加する。多発性硬化症、虚血、糖尿病、がん、細菌感染症などその他の膀胱の病的状態はプリン受容体を介した活動が関与することが示されている。尿管では P2X7受容体が炎症や線維化に関係している。プリン作動性の治療戦略が探求され、発達して尿路疾患のある多くの患者らの利益と寛解をもたらすことが期待される。
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