がんに対する鍼
朝霧高原治療院の田中です。今日は休みで朝から家でゆっくりして昼は外食に失敗しました。まあそういう日もあります。
さて例の論文整理ですが、今日のはがんに対する鍼についてです。2017年にアメリカの国立がん研究所がまとめた論文です。こういうのを読んでいれば実際にがんの患者さんから問い合わせがあっても真摯に対応できるので、やっぱり鍼灸師としては読んでおくべきかなと思います。
日本語に訳したのは抄録部分だけですが、本文を読んで印象に残ったのはまず、「WHOによれば鍼は今世界で103の国で行われていて29の国では免許制度がある」という一文。意外と無免許でできるところがあるのだな、と。アブナイ感じです。
この論文にまとめられていた鍼の作用メカニズムはこれまでに読んだ内容ばかりだったのである意味安心したし、なにか少し褒められたような気分になりました。
口腔乾燥症、ドライマウスに鍼が効くらしく、その論文も紹介されていました。しかも無料で全文読めるやつです。これでまた1つ読んだら1つ増えました…
がん患者さんに鍼する時に注意するべき検査項目なんかも紹介されていましたが、こういうことを知っているのと知らないのとでは鍼の質が全然違ってきます。これで2つになりました…どんどん増えていきます…がん性の痛みと鍼で3つ、乳がん治療の副作用による関節痛に対する鍼で4つと。
後もう少しで全文読み終えるところですが、眠気が「もう明日にしろよ」とアタマの中で囁いてますのでもう寝ます。
がんに対する鍼は比較的新しい研究分野ですが、これを読んでいる限りでは治療院でもこれらの研究結果を踏まえた上で今後前向きに取り組んでいくべきなのかな、というのが率直な感想でした。
The National Cancer Institute’s Conference on Acupuncture for Symptom Management in Oncology: State of the Science, Evidence, and Research Gaps
がんの症状に対する鍼に関する国立がん研究所の会議:科学、エビデンス、研究の空白
Farah Z.Ziaら
2017年11月13日
国立がん研究所(NCI)のがん補完代替医学オフィスがん治療診断課は2016年7月16日、17日に「がん症状マネジメントに対する鍼」のシンポジウムを行った。アメリカ、ヨーロッパ、チャイナから鍼とがんの研究が専門の19名の科学者と学者が招待された。
会議ではNCIの鍼への助成金が吟味され、がん患者のニーズが分析され、安全に関する事柄が再調査され、がん治療における鍼の科学的根拠と研究の空白についての評価が行われた。
研究者と関係者が鍼の基礎的なメカニズム、特定の症状に対する臨床的なエビデンス、プラセボ効果、新しい生物統計学的方法、患者に報告された結果、比較効果研究といった方法論的挑戦について発表し、議論した。
この論文は今回の会議で話し合われた現在の腫瘍に対する鍼の科学的および臨床的エビデンスについてまとめられ、重要な科学的な空白を特定し、がん症状マネジメントに対する鍼のメカニズムと効果に関する理解を高めるための将来的な研究への推奨がなされている。
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