鍼研究のまとめ
朝霧高原治療院の田中です。今日は鍼の予約が午後からだったので、お昼まではこれまでに読んだ鍼の論文をまとめた治療院用のパンフレットを作成していました。以前にも作ったのですが、こういったものはよりよく作り直していくことが大切だと思います。全体的にまとめていくとアタマの中で内容が整理されてくるのが分かります。
載せたい論文を読み直していくと、鍼の未読論文がまた次々と増えていってしまい、これはそういうものだと腹を決めるしかないようです。
今日は6時まで空き時間があるので溜まった未読論文を少し読み進められます。
改めて思ったことですが戦後チャイナで始まって瞬く間に世界に広まったいわゆる「伝統中医学(TCM)」。本来の伝統的な鍼の理論とは全然別モノです。もはや何が本来の伝統的な鍼なのか曖昧、あやふやになっていて、誰かが「後世派こそが本来の鍼!」と叫んだところで、このカオスのような状態は収束してはいかないのでしょう。
うつと不安に対する鍼
Karen Pilkington ウエストミンスター大学 2010
うつと不安は共に世界で危機的な状況を作り出している。鍼はうつと不安の治療に広く利用されており、利用者数は増加している。鍼の診断と治療の基盤は伝統的な漢法理論に由来している。現代医学的鍼では現行の神経生理学や従来の診断により重きを置く代替的なアプローチが用いられる。うつ、不安症、短期の急性不安の研究がこれまでに行われてきているが、比較対象はさまざまであった。多くの研究はサンプルサイズが小さいことにも苦しんでいた。さらに治療法がバラバラだったためにこれらの症状あるいは有効性に対する鍼の効果の評価として正確とは言えない。特異的な経穴、非特異的な経穴への鍼は類似の効果を示したため、結果の解釈をさらに複雑にしている。臨床的な反応の測定法に加えて、複数の臨床研究が神経伝達物質の値やその他の生物学的反応の修正因子の変化を評価しているが、今後も研究が必要である。
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