がん治療で生じる症状のマネジメントに対する鍼

朝霧高原治療院の田中です。朝霧〜河口湖は雪景色です。富士ではあまり見られない風景ですけれど、クルマで30〜40分走るだけでこんな景色に変わります。それと今年は特にシカが多いです。キツネとかタヌキなんかも例年より多く見かけます。さて。

ここ暫く空いた時間に3年前の夏にアメリカ国立がん研究所で行われたがん症状マネジメントに対する鍼灸学会のまとめの論文を読んで訳しておりました。昨日の夜にようやく終わりまして。スッキリ。

いくつか分からないところはあったのですが、それでも大まかにどんなことが議論されているのは掴めたので「読んでよかった」と実感してます。

2016年7月にアメリカ国立がん研究所に専門家が招待されて、がん治療で生じる症状に対する鍼灸の利用について発病され、議論されたそうです。

1番最初に目が止まったのはNotably, more than 60% of National Cancer Institute (NCI)–designated comprehensive cancer centers incorporate acupuncture for cancer symptom management. の1文で、アメリカではずいぶん多くのがんセンターで鍼灸が利用されているのだな、と。

議論の対象になった主な症状は痛み、疲労、悪心嘔吐、ホットフラッシュ、口腔乾燥症で、これらに対して鍼がどう効くか?安全性はどうか?などが議論されたようです。

まずは鍼の作用メカニズムについてまとめられていました。これについてはほぼすべて知っている内容でした。まあ3年前ですから安心してもいられませんけども、鍼師としては少し安心。

鍼の安全性。鍼は一般にはとても安全な治療法ですが、がんの患者さんでは通常起こることがないような感染(易感染性)や、出血(凝固不全)が起こる可能性があるようで、その他にもがん治療に携わる一職種としてきちんと理解しておかなくてはいけないことが複数書かれていました。もう少し詳しく書かれたものを読んでいく必要性を感じました。

がん治療で生じるさまざまな症状に対する鍼の臨床エビデンスについても書かれていましたが、鍼といえばやはり痛みの緩和。鍼単独ではなく、考えてみれば当たり前のようですが、やはり通常の医療機関での治療に鍼を組み合わせることで効果が高くなるようです。

疲労に対する鍼では興味深いことが書かれていて、鍼でがん治療によって生じた疲労が改善したら、鍼を継続してもしなくてもその後の症状はあまり変わらなかったらしいのです。疲労の症状が再度発症したらまた鍼すればいい、ということか?これは新しい所見で、他の症状なんかに対しても今後も興味を持ってチェックしていきたいと思いました。

今後の研究の方向性や医療政策担当者に対する提言なんかはふーんそんな感じか〜くらいに読みましたが、症状に対する鍼の効果については他にも色々書かれていまして、参考になりました。またこれから読んだほうがよさそうな論文が多数引用されていました。

ホットフラッシュなんかはがんじゃなくてもけっこう鍼が効いてくれる人が多くいるんじゃないかなあ?という印象があります。

今日は夕方まで用事がないので、読みたい他の論文をもうちょっと読み進めます。

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