がんに対する鍼灸の進歩と安全性の懸念 その4

朝霧高原治療院前の田中です。鍼をしたら半分の人にはエンドルフィンが出た、という実験結果が分かってある程度スッキリしたので、がんに対する鍼灸の進歩と安全性の懸念、の続きを読みたいかな、と思います。
これです↓
がんに対する鍼の臨床研究でよい結果が出ているのが比較的多いので、鍼灸を利用するがんの患者さんが増えているそうです。

安全性が気になるところですが、過去10年間に行われた大規模な臨床研究によれば鍼によって生じた小さな有害事象は1万回の鍼施術に対して14件とわずかで、深刻な有害事象は1万回の鍼施術に対して0.55回だそうです。小さな有害事象の方(これです→https://www.ncbi.nlm.nih.gov/m/pubmed/11829165/)はイギリスの鍼灸師さんたちの自己報告によるものがベースになっているので、もしかしたら少なく見積もられているかもしれないと思いました。実際に鍼していると小さな、直径5ミリ程度のわずかな出血はしばしば起こるので。

深刻な有害事象の方はネットでいろんな研究を検索してデータを集めたようですが、気胸、中枢神経系の損傷、B型肝炎など、そして耳鍼に関連して耳の感染症が深刻な有害事象として見つかったようです。
これ↓
100万件の鍼施術を含む12の前向き研究によれば深刻な有害事象の起こる確率は1万件の施術につき0.05件、1万人の患者につき0.55件だったようです。まとめとして鍼による深刻な有害事象が起こる確率はとても低く、なおかつこれらは予防が可能であるとしています。

注意しなくてはいけないのはこれらの研究の多くは使い捨ての針を用い、手洗いを徹底し、使い終えた鍼はすぐさま鍼廃棄ボックスに捨てる、といったクリーンニードルテクニックが採用されている衛生的な先進諸国で行われたものがほとんどであること。

またがんセンターなどで鍼する場合、電子カルテや看護師のサポート、がん主治医との密な連携などが患者を取り巻くセーフティーネットを構築するが、多くの鍼灸のセッティングではそれらが欠如していることがほとんどであると指摘しています。確かにその通り。

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