ストレスに対する電気鍼の効果
おはようございます。朝霧高原治療院の田中です。
読めてない文献が溜まっているので早く読み終えたいと思いながらも昨夜早く寝たら自然に朝早く目が覚めていい気分です。
コーヒーを一杯入れてから電気鍼がストレスに効くという文献を例によって抄録だけ読みました。
これです↓
Electro-acupuncture regulates glucose metabolism in chronic stress model rats
Fu-qiang Maら,2020.
https://www.nature.com/articles/s41598-020-68132-w
鍼が慢性ストレス性うつの治療にとても効果があることが複数の研究により示されてきた。しかし電気鍼の治療メカニズムについてはわずかしか分かっていない。
一方でメタボロミクス*はさまざまな介入全体によって生じる生物の代謝性変化を決定するテクノロジーであり、電気鍼の総合的な効果に関連している。
電気鍼の効果を評価するため1HNMR(プロトン核磁気共鳴)、血漿サンプル解析、組織病理学、分子生物学的解析を用いた。結果は電気鍼経穴が慢性ストレスモデルラットの熱的疼痛閾値を調節し、副腎皮質細胞構造の形態を変化させ、サンプルにおけるコルチコトロピン放出ホルモン、コルチコステロン(CORT)、グルコース、バリンの量を調節することを示した。
これらの所見は不均一な慢性ストレスモデルラットでの電気鍼の治療メカニズムを明らかにするのに役立つ。慢性ストレスを改善する電気鍼の効果はグルコース代謝を調節することによって得られている可能性があり、慢性ストレス性うつの臨床鍼灸治療に対する関連を提供することができる。
*メタボロミクス: 細胞内代謝を網羅的に解析する手法。
https://www.an.shimadzu.co.jp/apl/lifescience/metabolome.htm
*1HNMR(プロトン核磁気共鳴): 核磁気共鳴分光法の1種で分子中の水素1の原子核が起こす核磁気共鳴を測定し、その分子の構造を決定する手法。
http://ttf.pc.uec.ac.jp/www.page/ishidaH12/NMRtext.PDF
メタボロミクスも1HNMRも初めて耳にするワードでした。調べたらラットではヒトと違ってストレスがかかるとコルチゾールではなくてコルチコステロンが主に分泌されるそうです。もっと深く知りたいと思ったらこの分野を掘り下げて学ぶ必要がありますが、鍼灸関連研究の最新情報を浅く広く集めた上で自分の専門領域を深く掘り下げていきたいと思います。
これを書いていたらまた新しい鍼の論文が出たことを知らせるアラートが来ました。
でも!今は時間までこれから大学でする予定の鍼灸研究の調べ物をします。
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