脳梗塞後遺症に鍼が効くメカニズム続き
おはようございます。朝霧高原治療院の田中です。
久しぶりに雨が晴れましたね。夏らしくて気持ちいいです。
さて、昨日は途中で眠くなってしまったので本文を最後まで読めませんでしたが今朝は少し早起きしたので終わりまで読めました。
Discussionのところだけ訳しました。
これです↓
脳虚血および低酸素症はニューロンのアポトーシスと壊死を生じさせ神経系の機能不全を起こす。脳障害治療の臨床療法に鍵となるのは神経機能の回復とニューロンの修復および再生を介した中枢神経系の再構築である。神経幹細胞は自己再生と多方向性分化の能力を有し、部分的に損傷もしくは死んだ神経細胞を置き換え、神経機能の回復を促進することができる。成体哺乳類の中枢神経系では神経幹細胞は主に外側腹壁の脳室下帯(SVZ, 成体で神経再生が起きる場所の1つ)と海馬歯状回の顆粒下層(SGZ)に集中している。神経幹細胞は通常「休止」状態だが、(脳虚血、炎症などの)病的因子によって刺激されるとこれらの「休止」神経幹細胞は増殖および分化のステージに活性化し、特定領域に移動し、損傷した神経細胞を置換もしくは修復し、それによって機能不全を改善させることができる。神経幹細胞の増殖および分化は多くの因子によって調節される複雑なプロセスである。神経幹細胞の調節経路と相互作用メカニズムは現在十分に明らかになっていないが、多くの研究はNotchシグナル伝達経路が脳損傷後の神経幹細胞の増殖および分化の調節に関与していることを示している。DAPTはNotchの活性化を間接的に阻害することのできるγセクレターゼの基質であるガンマセクレターゼ阻害剤の一種であり、よって細胞シグナルの増殖および分化に影響を及ぼす。モデルグループの海馬でのBrdU/DCXおよびBrdU/ NueNの二重染色細胞の積分光学濃度はsham手術グループよりも有意に高かった。この結果は脳虚血/ 低酸素症障害は損傷された領域の神経幹細胞の増殖および分化を促進させることを示唆している。Bグループの海馬でのBrdU/ DCX二重染色細胞の積分光学濃度はCグループのそれよりも高かったが、BグループのBrdU/ NeuN二重染色細胞の積分光学濃度はCグループのそれよりも低かった。Notchシグナル伝達経路は脳虚血/ 低酸素障害後に活性化され、神経幹細胞の増殖に関与したことが確認された。この結果は電気鍼がBrdU/ DCX二重染色細胞の発現を促進させたがDAPTは電気鍼の効果を阻害させなかったことを示している。電気鍼はNotchシグナル伝達経路をある程度介して脳虚血/ 再灌流障害後の神経幹細胞の増殖を促進させることが証明された。同時に電気鍼はBrdU/ NeuN二重染色細胞の発現を促進させることから電気鍼が神経幹細胞の分化を促進させることも確認された。
今日は火曜日で鍼研究の日なので溜まった論文をひたすら読み進めていこうと思います。
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