慢性ストレスに対する鍼の効果

おはようございます。朝霧高原治療院の田中です。大体1つの論文を読むのに30分くらいかかっています。

抄録だけ訳して本文は読んでまとめて理解するだけです。


よし。行きます。

慢性ストレスに対する鍼灸の効果についてハイデルベルグのグループのパイロット研究です。ちなみにこのパイロット研究では70人が参加して15%が離脱していますが、鍼を受ける人が100人以下の研究では鍼が効いた、という結果になりやすいことが分かっています。だからパイロット研究なんだろう、と思われます。

これです↓

Acupuncture in persons with an increased stress level—Results from a randomized-controlled pilot trial

Beate Wildら

https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0236004


背景;今日西側社会では多くの人々が慢性のストレスを抱えている。鍼灸はそれらの高まったストレスに対して反対に作用する。


方法:AkuRest研究はストレスレベルの高い成人での2施設の無作為化比較対照パイロット研究である。参加者らは無作為に真の鍼(verum acupuncture)、偽鍼(sham acupuncture)、待機リスト(waiting list)群に分けられた。研究のもっともらしさが評価された。さらにストレスレベルに対する効果(ストレス質問表(PSQ-20)で測定)とその他の変数が治療終了時と3ヶ月のフォローアップで評価された。


結果:全体でこの研究にn=70人が含まれた。治療終了時には15.7%がフォローアップ前にいなくなってしまった。プロトコルへのアドヒアランスは良好で治療を100%受けた参加者の82.9%が順守した。ベースライン時の参加者のストレスレベルは高く平均PSQ-20のスコアは75.5で標準偏差は8.2だった。T1での効果サイズはverumおよびsham針ではストレスの減少について待機リスト群よりも上回っていた(効果サイズ(verum)=-1.39, 95%信頼区間= [-2.11;-0.67]:効果サイズ(sham)=-1.12, 信頼区間=[-1.78;-0.44)。フォローアップ時、効果サイズはshamに比べてverum群が上回っていた。しかし信頼区間およびt検定はこれらの差に有意性を示さなかった。


結論:このパイロット研究はストレスレベルの高い人々で鍼の無作為化比較試験をすることのもっともらしさを証明した。見積もられたパラメータはストレスを軽減させるverum 鍼の効果を証明するためのより大規模な無作為化比較試験をデザインするのに利用できる。


本文を読んで思ったこと。

まず、

Beissnerらは鍼の刺激(ひびき)が視床下部、中脳水道周囲灰白質、延髄の中枢性自律神経ネットワークを活性化させることを証明した。

Beissner et al. [17] demonstrated that the needling sensation–the DeQi—activated the central autonomic network of the hypothalamus, periaquaeductal grey, and medulla.


Mehtaらに示されたところによれば長期間にわたって鍼をすると副交感神経機能の活性は高まる。

As shown by Mehta et al. [18], a series of acupuncture treatments over a longer period of time resulted in an increased activity of parasympathetic functions.

という部分。


この2つの論文は読みたいな、と。

* Beissner F, Deichmann R, Henke C, Bar KJ. Acupuncture—deep pain with an autonomic dimension? Neuroimage. 2012;60(1):653–60. Epub 2012/01/10. pmid:22227140.

* Mehta PK, Polk DM, Zhang X, Li N, Painovich J, Kothawade K, et al. A randomized controlled trial of acupuncture in stable ischemic heart disease patients. Int J Cardiol. 2014;176(2):367–74. Epub 2014/08/12. pmid:25103909.


あとこの部分。適切なサンプルサイズの計算法なんてのがあるということ。

これまで学んでこなかった知識。

The sample size calculation was based on the confidence interval approach from Cocks & Torgersen [21] and the assumption that an effect size of 0.4 (regarding the stress level at the end of treatment) between the verum and sham acupuncture would be clinically relevant. A sample size of n = 42 would produce an upper limit of a one-sided 90%-interval that excludes 0.4, assuming that the treatment estimate of the pilot study was zero or less [21]. However, with a loss-to-follow up rate of about 16% a sample size of n = 50 (= 2 x 25) participants was needed for the verum and the sham acupuncture group. An additional n = 25 participants were added to the waiting control group, resulting in n = 75 participants for the pilot trial.


鍼は20-30分の施術を計10回。5分お話、5分で鍼を挿入、20分置鍼。鍼は現実的な事情でそれ以上になることもあったが3〜7日おきに行った。経穴は両側の神門(HT7)、太谿(KI3)、内関(PC6)プラス鍼灸しが個々に合わせて選んだ最大7穴、鍼12本まで、を用いた。鍼がひびいたらその他の刺激はしなかった。


みんなすごい勉強家。

本当すごいわ〜。

しつこい慢性のこり、痛みに 朝霧高原治療院 鍼灸

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